1998年 日清食品CM『日清カップヌードル』エビ役

 既存のイメージとは違うオリジナリティある「西遊記」を作りたい。これがスタッフのテーマだった。まず監督が自身のイメージを詰め、それを絵に起こす。そこには設定、各人の性格づけ、衣装(布の色味、質感)までが書かれている。これを基に各スタッフが手腕を奮う。メイク担当は、演じる人の表情を殺さないような特殊メイクを施す。衣装担当は色鮮やかで少し厚手の服を着せて、新しい雰囲気を出した。

 「日清!西遊記」では、三蔵法師に少し人間味がある(いじわるで冷たい)のがミソ。そこに熱血漢の悟空、性格のいい八戎と、いつのまにか一行に加わったエビやニセ八戎が絡む。商品がチャイニーズヌードルなので、広く知られていて版権もない「中国の西遊記」が題材に選ばれた。

 「有名タレントがいなくてもエンターテイメントは出来る」。その実感をこのCMでスタッフは掴んだ。登場人物を“これから伸びそうな人”だけで構成。丸2日間に渡り、延べ役80人の中から選考する。中には事務所から「経験のために行ってこい」と言われて、採用になって驚いているお笑いタレントもいた。

 撮影前、スタジオ横の道では馬の蹄の音が響く。出演する馬の運動(走り込み)だ。撮影中は辛抱強く制止状態に耐えていた。この馬はTV「暴れん坊将軍」にも出演していて、スタッフが本物の白馬にこだわり、京都から東京の撮影所まで連れてきたものだ。(第一企画+葵プロモーション)

(玄光社『CM NOW』1998年3・4月号102〜103ページより抜粋)


「呼吸が苦しく、声が聞こえづらいんです」と汗いっぱい。


悟空がエビを追い払う場面。
悟空が構えるとスタッフがエビの背中を持って後ろに引っ張る。
後に爆破シーンを撮り、合成した。

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